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BIMからAIへ:設計事務所による技術革新の最前線

WeChat連携 · 小纬 · 2026-06-12

AI技術とBIMの発展背景および基本概念 

▌1. 発展背景 

科学技術の飛躍的な発展に伴い、人工知能(AI)とビルディングインフォメーションモデリング(BIM)は、建築業界の変革を推し進める重要な力となりつつある。両者の深い融合はプロジェクト管理の効率を高めるだけでなく、建築の設計・施工・運用・保守の全プロセスを大きく最適化し、建築業界の持続可能な発展に新たな活力を注入しており、建築設計分野は新たなブレークスルーを迎えようとしている。

▌2. 基本概念

人工知能(AI):コンピュータ科学の一分野であり、AIは学習・推論・自己修正など、通常は人間の知能を必要とするタスクを機械が実行できるようにすることを目指す。ディープラーニング、自然言語処理、マシンビジョンなどの技術を通じて、AIは徐々に各分野に浸透し、前例のない変革をもたらしている。

ビルディングインフォメーションモデリング(BIM):BIMは3次元モデルに基づくデジタル表現手法であり、幾何形状、空間関係、属性情報、施工要件など、建築プロジェクトのライフサイクル全体の情報を統合する。BIM技術の適用により、建築プロジェクトの設計・施工・運用・保守などをより効率的かつ協調的に進められるようになり、建設業のテクノロジー化への発展を絶えず推進している。

AIとBIMの融合による優位性

▌1. スマートな設計最適化

設計段階では、AI技術の導入により、BIMモデルが構造強度解析やエネルギー消費シミュレーションなど、より複雑な計算・解析を行えるようになる。機械学習アルゴリズムを通じて、AIは設計案を自動的に学習・最適化し、人手による介入を減らして設計の効率と品質を高めることができる。同時に、AIはユーザーのニーズや市場動向に応じて多様な設計案を生成し、個別ニーズにも応えられる。

作図段階では、中国建築設計研究院が筑絵通ソフトウェアを活用し、2次元の建築設計図面に基づいて3次元モデルを構築し、LOD200のBIMモデル作成を迅速に完了する。このモデルはRevit形式などの主流BIMソフトウェアとシームレスに連携できるため、効率的な設計と配置が実現する。Revitソフトウェアは人工知能アルゴリズムとの組み合わせによりスマートモデル機能を実現し、建物モデル内の細部を自動で認識・処理して、設計基準とパラメータに適合する建築モデルを生成できる。

図面審査段階では、科大訊飛が開発したAIスマート図面審査システムが機械学習アルゴリズムを用いて建築業界の標準条文を認識し、ワンクリック審査を実現することで、審査フロー全体の時間を短縮し、図面審査の効率と品質を向上させた。

▌2. 高精度な施工シミュレーション

BIMとAIの結合により、施工シミュレーションはより高精度かつ効率的になる。AIアルゴリズムでBIMモデルの動的シミュレーションを行うことで、施工プロセスにおける潜在的な問題やリスクを予測し、事前に対策を講じることができる。

施工段階では、AIが施工進捗と現場の実際の状況に応じて施工計画をリアルタイムで調整し、プロジェクトの期限内かつ品質を確保した完成を担保できる。BIM技術は3次元モデリングと4次元の時間管理により、施工プロセスの可視化と動的シミュレーションを実現する。このシミュレーションは施工進捗を示すだけでなく、潜在的な問題を予測し、施工計画を最適化することもできる。BIMモデルを通じて、施工ヤードの配置や施工人員・設備の手配をシミュレーションし、不合理な点を見つけて調整することで、施工計画をより正確かつ効率的なものにできる。施工においてBIMの3次元ヤード配置モデルを適用すれば、ヤード資源の配分を最適化して工事の実情と組み合わせることで、施工ヤードを合理的に配置し、二次搬送の削減などを実現できる。AIはさらに施工ヤード計画や施工現場のスマート管理にも役立ち、リアルタイムの監視とメンテナンスを通じて施工効率と管理水準を高める。

▌3. スマートな運用・保守管理

運用・保守段階においても、AIとBIMの融合は大きな可能性を示している。モノのインターネット(IoT)技術を統合することで、BIMモデルは建物の稼働状態データをリアルタイムで受信でき、AIアルゴリズムがこれらのデータを処理・分析して設備故障の予測やエネルギー使用の最適化などを行う。データ駆動の手法で予測保全計画を立てることで、運用・保守の効率を高め、コストを低減し、建物の使用寿命を延ばすことができる。AI技術はBIMモデル内のデータを分析することで、干渉チェック、エネルギーシミュレーション、品質管理、工事費見積り、工程最適化などを実施でき、プロジェクト管理の効率と正確性を向上させる。

BIMモデルとモノのインターネット技術を組み合わせることで、データの共有と協働も実現できる。建物内のすべてのセンサーや設備がBIMモデルとデータ連携できるため、設計者・施工担当者・施工主が効果的に協働して設計案を速やかに調整できる。運用保守担当者もBIMモデルを通じて建築設備の各種データや機器情報を直感的に確認でき、より手軽に設備管理を行える。同時に、建築設備の稼働データや履歴を保存して段階的にデータベースを構築し、運用・保守管理のデータ化・スマート化を実現することで、建築設備のライフサイクル全体にわたる管理が可能となり、生産効率の向上、コスト削減、工期短縮につながる。

設計院におけるAIとBIM技術の革新的な活用

▌1. 中南建築設計院

中南建築設計院はAIGC(生成AI)技術の支援のもと、独自の「Giant AI」(建築クリエイティブ具現化ソフトウェア)を用いてAI作図を実現し、数千件のパース提案を生成することで、設計者が再びペンを手にして創作のインスピレーションを探れるようにした。AI支援設計はすでに各種プロジェクトの設計に応用されており、AI描画の学習モデルは建築設計、インテリア設計、ランドスケープ設計、計画総合図、立面ファサードなど多岐にわたる分野をカバーしている。

中南建築設計院は生成型大規模言語モデルの分野にも注力し、建設工事分野におけるChatGPTに相当する「ChatADI安全アシスタント」を自主開発した。これは中南建築設計院の70年余りにわたる知識の蓄積、建築および関連業界のナレッジベース、規範、標準などのデータに基づき、建築、構造、都市計画、コンサルティング、空調衛生、給排水、電気、工事費などの専門的な質問に対して助言を提供し、設計担当者の業務効率を高めている。

鄂州花湖空港の建設は、全工程でBIM技術を深く活用して建設された中国初の「デジタルツイン」大型空港となり、約1,000万件の部材コードと10億件以上の情報ポイントを「クラウド」上で統合した。この成功事例は企業の質の高いデジタルトランスフォーメーションを推進し、設計院の従来の建築設計業務をデジタルコンサルティング、サプライチェーンサービス、ビッグデータ、生態環境保護、スマートシティなどの新領域へ拡大させる原動力となった。

▌2. 中建八局第一会社設計研究院

中建八局第一会社設計研究院のAI設計チームは、大規模な都市建築群の設計において、AIの高度なツールを用いた提案の最適化やコントロールなどの手法により、実用可能で制御可能かつ享受可能なAI設計手法を段階的に確立してきた。言語ツールとしてChatGPTを活用するほか、AIチームはSD、Midjourney、UVR5、ArkoAI、Gammaなど最先端のAI支援設計ツールを応用し、スマートなテキスト最適化、入札書類作成の支援、コンセプト設計、建築立面の最適化コントロール、スマートレイアウトなど多くの複雑な業務を遂げ、AI技術によって建築設計を強化している。

設計院はEPCプロジェクトにおけるBIM支援設計の応用を絶えず探求し、プロジェクトの種類・規模・工期・複雑さに加えて後工程の施工・運営の状況を踏まえた詳細なBIM技術応用計画を策定し、専門工事・単体・単項などの工事を切入点として、全専門・全ライフサイクルにわたるBIM支援設計能力を継続的に拡張している。

済南都市陽台C4プロジェクトでは、標準化された接合部設計により、クラウドコンピューティングやパラメトリック設計などの技術と組み合わせて製造と据付を前提とした設計を一貫して実現し、設計成果を工場での生産加工まで延伸させて、部品・部材やモジュールの高効率な生産を指導している。同時に現場の施工管理と連携して部品・部材やモジュールの迅速な取付けを促進し、プレハブ建築プロジェクトの標準化設計と建造水準を高めている。

BIM技術が設計院にもたらす課題

BIM技術は建築業界がデジタルトランスフォーメーションを実現するための重要なツールであり、業界の革新的発展を支える強力な原動力として企業のデジタル化を推進できる。BIMの実運用を進めることは、建築業界に新たな発展の方向性をもたらす。しかし、BIM技術の適用過程では次のような課題にも直面している:

▌1. 技術実装の難易度が高い

BIMソフトウェアの体系はまだ整っておらず、専門ソフトウェアは現地化・先進性・革新性の面で課題を抱えている。既存のBIM技術や手段では現在の管理モデルを支えきれず、BIMアプリケーションソフトウェアの組み合わせが不十分なため、設計段階のBIMを施工段階、さらには運用・保守段階へ引き継ぐ際に適切なプラットフォームやツールが不足している。

▌2. 時間コストの問題が大きい

従来の設計院はBIMプラットフォームの構築に消極的であり、その主な理由は人材不足、利用のハードルの高さ、標準・規範の不備などである。さらに、デザイナーは業務外の時間にソフトウェア研修を受ける必要があり、目に見えない形で短期的なコストと時間を増やしている。

BIM技術はデータの収集と処理に厳しい要求を課すため、データ収集に時間がかかりすぎたり処理速度が遅すぎたりすると、プロジェクトの効率と品質に影響する。また、BIMは設計段階で作業量を増やし、長年蓄積されてきた効率的な業務方式を変えるため、推進する動機が不足しがちである。

▌3. 政策支援の力度が小さい

BIM技術の発展には、絶えず改善される市場環境が必要であり、地域が良好な政策・資金支援を提供すること、建築業界の関係部門が新たな発展状況に応じて適切な政策誘導を策定することが求められる。これにより、建築業界におけるBIM技術の普及と応用を効果的に推進し、設計の品質と効率を高め、建設プロジェクトのライフサイクル全体にわたるデータ情報の共有と情報化管理を実現できる。

▌4. 専門人材の能力が低い

技術が絶えず発展する一方で、人材育成は業界の発展ニーズを満たしておらず、BIM技術人材に対する専門性・総合性の高い要求はますます切実になっている。BIM技術は現在すでに業界内で広く応用されているものの、発注者、設計者、施工単位など関係者によるBIM技術の理解と認識の水準には依然として大きな差がある。BIM技術は複雑な工学とコンピュータの知識を伴うため、関係者のBIM技術に対する理解と応用能力を高めることもまた課題である。

本記事の筆者は上海攀成徳企業管理顧問有限公司に在籍している。記事に記載された内容は筆者個人の見解を表すものであり、攀成徳の立場を代表するものではない。

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